ギルドハウス十日町で行動のヒントを得た

ギルドハウス十日町で行動のヒントを得た

2017年7月、ぼくは焦っていた。

新潟に引っ越して1年半。プライベートも仕事も、思うように結果がついてこなかった。

これは住む場所を間違えたのか?
もう1段階別の場所に引っ越したほうが良いのか?

考えれば考えるほど、悪いイメージしかできなかった。

同じように新潟に引っ越ししてきて、面白い活動をしている人に話しを聞いてほしい。
何かアドバイスをもらいたい。
ある日、急にそんな衝動に駆られた。

そこで、前から気になっていたギルドハウス十日町(以下、ギルドハウス)に思い切って連絡したのだった。
新潟県十日町市で、シェアハウスのような仕組みで家を開放している人がいる。
そこにはなぜか人が集まっているというのだ。

ぼくは焦りながらも、今悩んでいる旨をFacebookメッセージを送ってみると、

今日だいじょうぶですよ。
ただ日中は暑いでしょうから、夕方5時くらいがいいかもしれません。
よかったらそのままいっしょにギルドで夕飯を食べませんか?

と返事を頂いた。

なんて優しいんだろう。
毎日プログラミングと向き合っている無機質のようなぼくには、心の底からほっこりするような一言だった。

***

ギルドハウスは、十日町の中心部から少し山あいに位置する場所にある。
そこは、年季の入った佇まいの古民家だった。

到着すると、ギルドマスターの西村さんが迎えてくれた。
家の中には、若い人が何人かいた。ギルドハウスの住人なのだそうだ。
こんな田舎に若者が集まってる。そこはとても不思議な空間だった。

西村さんは、みんなから「ハル」って呼ばれてるからと言って緊張していたぼくをほぐしてくれた。
なんとも気さくでフランクな人だった。

そして海外土産だと言って出してくれた冷たいお茶を飲みながら、お互いの自己紹介もしながら、ことの経緯についてハルさんに打ち明けた。

ハルさんは自分の話も交えながら、都会から地方に引っ越して生活することについて話してくれた。
聞けば、ハルさんも東京でWebの仕事をハードにこなしていた人だった。
そんなめぐり合わせに勝手に親近感を抱いた。

そして、ハルさんからはこうアドバイスがあった。
「どこに住んでも結局は一緒で、住む場所でその先、どういう暮らしがしたいのかをイメージすること

その場所、その地域のリソースに気を取られがちだったぼくにとって、自分の考えを見つめ直すこの上ないアドバイスを頂いた。
経験者の話は重みがあった。ぼくは悩みが減り、心がとても軽くなった。

ちょうど同じ部屋にいた女性もぼくたちの話しに興味があったらしく、ノートPCを開きながら一緒になって自分の意見を話してくれた。
見ず知らずの人間の話しを、みんなが聞いてくれ、アドバイスをもらえたことがとっても嬉しかった。

***

その日の夜、ギルドハウスで夕飯を頂いていくことにした。

ギルドハウスでは、料理できる人が一人一品作るのが決まりなのだそう。
古民家の台所では、今ある食材で各々が食べたいものを作っていた。

それもそれではじめての体験だった。
ぼくはシェアハウスでは暮らしたことはないのだけれど、それとも少し違うんだろう。
数人入るとさすがに狭い台所で、初めて出会った人間と協力しながら夕飯のおかずを作っていた。

料理をしながら自然と生まれる会話や一体感。

普段夫婦で行動することが多いぼくは、こういう体験は久しくなかったなぁと使ったフライパンを洗いながら考えていた。

とにかく新鮮な体験だった。

そうこうしているうちにできた夕飯は、白いご飯、ギルドハウスの前で育てた野菜をつかった味噌汁、焼きそば、生姜焼き、イノシシのロ―ストしたお肉、茹でたとうもろこし、スイカがテーブルにずらっと並んだ。
美味しいご飯と、ドローンに人が乗って座ったまま移動できればいいよねなんて未来的な話に花が咲いた。

楽しい時間だった。なんか属性が似てるのかなとも思う。
会社員時代のブレストランチを思い出して、どこか懐かしくも思った。

***

ギルドハウスはぼくが住んでいる街から1時間。
それからもたまに遊びにいっている。

秋はバーベキューにお邪魔した。
手ぶらで行くのも嫌なので、欲しい食材を聞いて持っていった。
それに、ちょうど手に入れたドローンで、みんなから協力してもらい楽しく動画を撮った。

ギルドハウスでみんなと関わって、ちょっとしたことだけど、生活のヒントを掴んだような気がする。
まだ手探りだけど、ぼくが住んでいる場所でIT勉強会を主催したり、動画教育プラットフォームのUdemyでプログラミングの解説動画を作ってみたり。
コミュニティ的なことも意識しながら、少しづつ行動が変わってきた。

あの夏の日、ヒントが欲しかったんだろうな。
これからもたまに遊びに行こう。

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※この記事は ギルドハウス十日町 Advent Calendar 2017 の19日目の記事です。

五十川 洋平(Yohei Isokawa)

五十川 洋平(Yohei Isokawa)

フロントエンドエンジニア/面白法人カヤックなどのWeb制作会社に勤務したのち、故郷の新潟に戻り独立。JSフレームワークAngularやFirebase、Google Cloud Platformを使ったWebアプリ開発が得意。 また、Udemyのプログラミング解説の講師、writer.appの自主開発や上越TechMeetupの主催などを行っています。

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